いぢわる兄は同級生






なんだかいまいちふに落ちないまま、水樹の自転車の後ろに乗って学校へと到着した。



「‥‥み、水樹?」



「ん?」



自転車小屋から生徒玄関へ向かう途中、話しかけてみても。



その様子はいつもどおり。




「ううん‥‥なんでもない‥」



「‥‥そ」




別に、水樹がいつもどおりなら‥‥あたしもいつもどおりでいればいいだけの話だよね。



もう‥‥変に悩むのはやめよう‥‥。



昨日は、なんにもなかった。




それで解決じゃん‥‥‥。



あたしは、そう自分に無理矢理言い聞かせて、胸の中のモヤモヤをごまかした。








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