ハッピーエンド
目の前で大きな炎が揺らめいている。

美しい流線型を誇ったイタリアのスポーツカーは、もはや原型をとどめず、ただの燃料と成り果てていた。

女の顔が炎に照らされ赤く光る。

唇を大きく切ったのか鮮血を滴らせながら前方を凝視する表情は病的に美しかった。
その頃になってやっと周囲がざわめき始め、遠くでサイレンの音がする。

「もう手遅れよ・・・」

かすれた声で呟いた女はゆっくりと目を閉じ、その場に崩れ落ちた。









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