ハッピーエンド
遊び相手はヌイグルミ、着せ替え人形、そしてテレビ画面。亜衣はいつも空想の世界で遊んでいた。

その中では亜衣はいつも大勢の友人に囲まれた太陽のような存在であった。
勉強、スポーツともに優秀で美貌と裕福な家庭を持ち、幸せの真ん中にいるヒロイン

空想のままごと遊びの中で亜衣は友人にあらゆる物を買い与えて彼らを繋ぎとめていた。それが友情の証だとも思っていた。

しかし空想はしょせん空想だ。

日が沈み暗闇が外を包む時間になると亜衣は改めて自分が一人ぼっちだと思い知る。

自分はここに居ると叫ぶかわりに、そして何よりも両親にかまってもらいたくて亜衣は色々な事をした。
殊更甘えてみたり壁に落書きをしたり、悪戯電話で消防車を呼んだり、飼っていた猫の首を締めたり・・・。

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