ハッピーエンド
そこで言葉を区切った麻里は大きな瞳を慶介に向けた。麻里に見つめられるだけで慶介の鼓動は激しくなる。これほどの美少女に見つめられるなんて事は今までの人生に無かった事だ。

「そ、そうそう。僕が証言した通りだよ。本当にその通り、びっくりしたよ、その時は」

「余計な事は喋らないで」

「・・・」

「もう一度言うわよ、あなたは道路に出て自動販売機に向って歩いていた。夜空に大きな花火が上がって思わず後ろを振り返った。そして視線を下ろすと事故の瞬間だった」

「そうだよ」

顔を赤らめた慶介は体を左右に揺らしながら答えた。この男の癖らしい。


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