ハッピーエンド
誰もが息を飲んだ。慶介はもう何も言えなくなっている。

「花火は上空だから林の中に居ても見えるわ。でも予知能力でもない限り来た道を引き返して事故の直前に道路に戻る?あなたは防風林の中で花火を見上げて、その後に事故の大きな爆発音が聞こえたから慌てて道路に戻ったのよ。」

「そ、そんなのただの推測だ!自動販売機に行く時か、買い物して帰る時かを間違えただけで、俺は確かに事故を目撃したんだ!」  

「あら、そう?・・・じゃあ百歩譲って未だ帰りの国道上だったとしましょう。でも帰ってる途中なら、花火の上がった方向は正面よ、あなたの証言にある花火の音に思わず振り返ったというのは辻褄が合わないわ。これで断定出来る。あなたは事故を目撃していない。あなたが見たのは事故の後でしょ!」




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