*先生とあたしの物語*完


先生はそれに気づいて

優しくて甘い声で

『大丈夫、俺はここにいるよ』

って…



あたしは素っ気なく
でもシャツの裾は握ったまま

「分かってる…」

なんて
可愛らしくもなんともない言葉を返してしまった



その言葉を聞いても
先生は笑顔のまま




しばらくそのままで

突然フッて笑って

あたしの掴んでた右手を自分のシャツから離す



行く手を無くした自分の手を見て

しつこくするから
先生にも嫌われたんじゃないか
っていう不安がよぎる







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