きっかけ、クリスマス。
たくさんの書類の中から出てきたそのカードは
"クリスマスカード"
可愛いトナカイに、幸せそうなサンタさん。
「これ…先ほどもらったのですが、よろしければ…」
そのカードをそっと受け取り、青年の肩をポンと叩く。
「ありがとう。孫にプレゼントする時に使わせてもらおう。」
その言葉に青年は深々とお辞儀をして時計を見、また慌てて走って行った。
青年の後ろに待つ人と、幸せな空気を感じて目を細める。
早く行ってあげなさい、
と言いたいくらいだった。
優しい彼を待つその人も、きっと素敵な人なんだろう。
そう予想して、孫が来るはずの道を眺める。