狂愛
はじまりのしらべ

深夜0時すぎ。


バイト終わり。


一人暮らしをしているマンションまでの細暗い道を足早に歩く。

街灯も民家も点々とあるだけで、一人で歩くにはかなり怖い。


数年前、ここで殺人事件があったという噂も頷ける。




「やっぱりこの時間は怖いなぁ…」



私は不安を消すために無駄に大きな声を出した。


大学に通う昼間は別になんとも思わないけれど、やはり夜では話が違う。


頼りの満月も分厚い雲に隠れてしまい、辺りには闇しかない。




「バイト始めたばっかだけどシフト変えてもらおうかなぁ」




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