狂愛

でも、仁の言うとおりだ。


嫌だからという理由で警察を避けていたら、またアイツに狙われるかもしれない。


今度は本当に何か危害を与えられるかも……。



「なぁ美月、俺が犯人捕まえようか?」


「悠木……」



目の前の彼は真剣な目だった。




「警察あんまり行きたくないんだろ?」


「そうだけど…危ないことさせられないよ」


「大丈夫だって、な?」



悠木は私を安心させるためににっこりと笑った。


悠木はいつもそうだ。


人のために動いて、その人が幸せになったのを見て喜んでいる。

そんな彼が私にとって癒しだった。



決して恋愛感情ではなく、ただの友達としてだが悠木の存在は大きかったのだ。


< 8 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop