名探偵と父親
それだけだ。
父は母を愛していた。
あれは嘘ではない、
ああ、あそこで満足して、パーティーについて行かなければな。
もう少し、父と居たいと願わなければ―。
少し、後悔をした。
僕は、
弟に、父は母を愛していた。
と伝えた。
弟は、嬉しそうに、
「だろうな」
と言った。
そして弟は、
「親父達の墓参りは一緒に行こうぜ」
といい、僕が返事をする前に消えていた。
何か、父の形見をもってこればよかった。
と、僕は、更に後悔した。

