kenka
第5章 ひかり
玲に言われて、3年1組の教室へと
向かう奈央と藍をおんぶした玲。
藍は意識が無く、眠っていた。

「…なんで攻撃しない?って
言いたげな顔だな」
玲は奈央に向けて言った。
心を読まれたかの様に、奈央は反応した。

「あぁ」
「直先輩と話すまでは、やるわけには
いかねぇんだ。それだけだ。あたしはお前を潰す」
奈央の表情が一気に変わった。
「ふ、別に今すぐじゃないさ」
玲は余裕そうに微笑むと、教室の扉を
開けた。

カーテンがふわふわと舞い、
風が流れている。窓側に女性が1人。
外を見て、悲しい顔をしていた。

直だった。
< 62 / 138 >

この作品をシェア

pagetop