kenka
松葉杖を使いながら、直の元へ急いで
向かう奈央と繭。

繭は涙と血でヘトヘトだったが、
奈央も気にする余裕は無かった。
ー先輩…。直先輩…!

集中治療室の前まで行くと、
憂と藍が座って待っていた。

「何が…あったんだ」
みるみる青ざめていく奈央。
涙を流す憂を優しく慰めている藍。
その姿に、少し驚く奈央。

「…あたしらがついた時には、
もう直先輩はナジカに刺されてやんや。
でも…憂が立ち向かった時、先輩が
起き上がって…ナジカを殴って…蹴って。
なのに…傷が響いて…」
そこから先は、言われなくても分かる
展開だった。

「ナジカはどこに?」
「わからへん…直先輩を刺したあと、
どこかへ逃げたんや。あんな体じゃ遠くまでは
いけへんと思うけど…でも…」
繭は続ける。

「悔しい…」
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