【短】花火、夏の恋。
あたしと君。
「よっ!まだ北川だけ?」


「あ、うん…もう時間なのに皆遅いね」


今夜は花火大会の日。

この辺りじゃ一番大きくて、今日はクラスの男女8人で一緒に行くことになってた。


「あっちいなー」


高校最後の夏。

本格的な受験勉強の前に思い出作ろうって。


中学まで女子校だったせいか、男の子が少し苦手なあたしは、普段だったら絶対断ってたんだけど……


♪♪♪♪


「ん?淳士からメールきた」


菊地くんもくるって言うから、勇気を出してあたしもきたの。


「あれ?え?……は?」


あたしは見た目も中身も、どこにでもいるような凡人。


付き合いたいだなんて、おこがましいことは言わないから、だからせめて……

少しでも一緒にいたいと思った。
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