いたいんですけど!【BL】
変わらず小さい声で応援しつつ、
簡単な物が出るといいなと祈っていると、
紙を取り、何かを探す先輩と目が合った。
そして先輩は俺に手を振り、
こちらへと走ってくる。
……あれ、もしかして俺?
やっぱり早いな、先輩。
あっと言う間にこちらへ到着した。
「走れる?」
「怪しいです」
炎天下の中、走る自信が無い。
たとえ短い距離でも。
そう答える俺に苦笑しつつ、
先輩は俺を抱え上げた。
それはもう、簡単に。
「……軽すぎないか?」
「っていうか、
同意を取らずに連れてくんですね」
別にいいですけど。
でもちょっと気になる。
尋ねると変わらず苦笑してる先輩。