君が望んだ永遠



ゆっくりと
あたしは目を開けた。


雪原が差してくれていた傘は
さっきの衝動で
地面に落ちていた……。



そして



「ゆき……はら?」


雪原はうずくまっていた。


「……っ」



痛みに必死に耐えている。


「雪原ッ!!!」


そう、あたしは無傷。

雪原が庇ってくれたんだ。雪原の腕からは
次から次へとの血が流れ出していた。



それを見て自然に
あたしの目からは涙が溢れ落ちた。



幸いなことに雨が降っているので雪原にはバレないだろう……


そう、
思っていたのに…………






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