君が望んだ永遠



「あれ、強盗!!?」


あたしは雪原から
身を乗り出してしまった。

そのせいで
せっかく雪原が守ってくれていたのに前へと飛び出した。




「どけぇ――――!!!」



強盗は刃物を
あたしに向けて走ってきた。



え…………

もしかして…………




「幸音ッ!!!」



あたしは目を閉じた。


――――刺される前に。







しかし、いくら待っても痛みは感じない。

パシャパシャと
走り去っていく音は
あたしの耳に聞こえていた。





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