恋
ハチは困った顔をして吸いたての煙草を捨てた
足でぐりぐりとタバコの火を消し、夕陽を見つめ何かを考えている
私はそんなハチの姿を見て心を決めた
今打とう
「でも、もうそれも今日で終わりだから」
「え?」
ハチは視線を私に向けた
私はあえてハチを見ずに話を続ける
「やっと気持ちを言葉にできた
それで満足だから。
もう、ハチを困らせないから。
バイバイ」
私は走って家へと帰った。
これで終わり
全て終わり。
家に入り、玄関に立ちすくんでいた。
涙は流さない。
自分が決めたことだから。