そう書かれたノートを閉じ、私は窓から外を見た

日本が小さく見える
だけど、少しずつ大きくなって私に近づいている…

ううん…じゃなくて、私が近づいている


アレから2年が過ぎた

2年前の私は、日本を出た飛行機のなかで、
ハチとの恋愛を一から書き直していた。

これから忘れるための儀式みたいなもの



「ルナ?カズくんは空港で待ってるの?」
外を見ている私にお母さんはお茶を飲みながら言ってきた。

私は窓から視線をずらしお母さんを見て答えた。
「うん。多分…来るって言ってたけど。」

「ふーん…どうすんの?」

「え?」

「もうアナタだって二十歳よ…。まだ若いけど…お母さんは、いいと思う。」

「…あ~その話…。」
私はまた窓の外を見た。

「どうするの?」

「…お父さんいつ帰ってくるっけ?」

「え?来週くらいの予定だけど………」

「じゃー、帰ってきたら家に連れて行く。」

「え?それって…」

「うん。ちゃんと話しするから…ね?」

「わかったわ。」
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