過去との遭遇

仕事の打ち合わせで、この喫茶店によったことが
過去の自分との遭遇だった


話し合いも終わり、”今日はこのまま帰るし”と思ってゆっくり喫茶店を出た

外は雨が降っていて、傘のない俺は少し困り果てていた


「どしゃぶりやん…」

駅まで歩けば、濡れて帰るの間違いなし。
濡れた状態で電車に乗るのは好きじゃない…

周りから白い目で睨まれるし
多分…、ってか混んでるしな

「どーしよっかな」


空を見ながら散々悩む…
俺って結構、優柔不断やねんな


「…おう!ハチ!!」

遠くから懐かしい声が聞こえた

俺は空から視線をズラし、
声のするほうへと顔を向けると
そこにいたのはカズと…ルナだった

正直…驚いた
…ルナがいることにさらに驚いた

でも、ルナは俺の姿を見ても動じない。



ふっきたらあんな風になるのか?


そう思いながら、俺も手を上げながらカズに話かけた

「よぉ!!久しぶり~。」

カズは微笑みながら傘を閉じ、
店の入り口にある小さな屋根に一緒に入ってきた
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