舞い戻った記憶の理由



そこまで言い終わると、私はまた深呼吸をした。


『ふ~ん…なんか、幼い頃からいろいろあったんだね...』

「ハハハ…まぁ、ただの素直になれなかっただけなんだけど。」

『でも、なんでいまさらそれを思い出したん?』

「え?」

『もう追いかけちゃいけないって思ってんやろ?』

「うん…」

『じゃー…なんで…』

私はちーちゃんの言葉に目を閉じた。
必死に砂をかけて埋めていた想いが、今また姿を現したのは・・・

「ハチが…友達とホムページをしてるらしくて…それを見つけてん。」

『あぁ~』

「写真もあって、見たら全然変わらない顔してた。 どっか弱気で、でも優しい顔で笑ってて…」

『・・・』

「ハチのプロフィールのページ見てみようって思って、開いてみたら笑いを取ろうと必死にいろいろボケてて、そのアホさに笑いながら見ていったら、
一番下に《生まれ変わるなら》って所があって…」

私はそこまで言って、喋るのを辞めた。


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