鳴神の娘

戦地


戦争。

それはぶっちゃけた話、とても遠い世界だった。


でも。


・・・和平の使者が殺された。

それはきっと、由々しき事態。


ここで初めて迎えた朝はとても慌しかった。

急いで身支度をし、食事をとり、小型の剣を与えられた。

更に常に女性の騎士が、私の側で待機することになった。

金髪でモデル並みに美人な女性騎士は、名前をサリアといった。


「サリア・・・今どうなってるの?」


サリアはとても優しくて、頭がいい。

私の分からない事も、全て説明してくれる。

私のところへ来てすぐ、騎士の誓いをさせてくれとも言った。

あの男の人・・・王様は、笑っていた。


サリアは難しい顔をして、私に飲み物を勧めた。


「そうですね。 昨夜の事は覚えていらっしゃいますか?」


忘れるはずが無い。衝撃的過ぎる。

私は頷いた。


「昨夜アカリ様が降りていらしたことで、あちらの負けは決まったようなものでした」


「それも、どうして?」


「わたくし達の国では雷に打たれる、というのは正義の神がお怒りになっている、ということなんです」


だから、雷が落ちる=悪=士気?が落ちるという図式が成り立つ。


「戦争、というのは自分達が正しいと思っていないと、できないものなんです」


じゃなきゃ人は殺せない。


「ふうん」


「アカリ様はどう思われますか?」


「私?」


「はい」


サリアはキラキラした目で私を見つめた。








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