1431㌔の純恋
君といれる最後の夜
僕達は焼肉屋さんに
着いた。
評判の良いお店だったので僕は行ってみたくなった。中に入ると
清潔感とお店の人の愛想がとてもよかった。
僕達は掘ごたつの席を選び座った。
僕の両手はもう塞がってしまっている。
今日デパートで
買い過ぎてしまった。
ほとんど自分へのお土産だ。
いつも頑張ってるから、って自分で自分にご褒美あげた。
荷物を置き注文をした。
ホテルにチェックインするまであまり時間がなかったので、
少なめに注文した。
僕はカッコイイところを
見せる為、
腕まくりをして肉を焼いた。僕は君の為にお肉を
焼き、少し肉についてのうんちくを語った。
僕は君に
こういう食べ方のが
美味しいよ。
と教えてあげた。
君の美味しそう食べる顔を見てたら僕はすごく幸せな気分になった。
ご飯を食べてるだけで
こんなに幸せなのは
久しぶりだ。
二人でニコニコしながら
ご飯を食べた。
美味しいご飯。
君との時間。
今日が最後の夜。
僕は一分一秒を大事にしながらお肉を噛み締めた。涙が出てきそうになった。僕はお酒を飲んで
ごまかした。
酔って涙をこらえた。
しかし涙は止まってくれそうにない。
僕は必死にこらえながら
お酒を飲んだ。
お腹いっぱいになった
ところで時間が来てしまった。
さて、そろそろ
泊まるとこにいこうか。
僕達はお会計をして、
仲良しのタクシーの運転手さんに
泊まるとこまで
送ってもらった。
昨日の夜よりもなぜだか
僕はしょんぼりしていた。頭のどこかで帰りたくないと思ったんだろう。
しかし明日の夜には
もう君とお別れ。
僕に超能力があったら
時間を止めたいくらいだ。念じたが時間は
止まらなかった。
僕は諦めて、時間の流れるがままに過ごす事にした。「さあ、着きましたよ。
肉食べたから、今日は
元気よか。」
タクシーの運転手さんの
いきな一言で僕は
笑ってしまった。
くよくよしてた気持ちが
なくなった。
よし、最後の夜くらい
楽しく過ごさないと。
僕はとびっきり明るい声で、
「さあ、入ろう」
と行った。

「うん。」
君が笑顔で答えた。
さあ今日はいっぱい楽しもう。


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