世界が終わる前に
…――だけど、馬鹿で世間知らずの私は油断していた。
ううん、高を括ってたんだ。
黒斗くんがこの女の子がいくら喚こうが、シカトするって。
そんな余裕があった。
酷い女かもしれない。
腹黒いかもしれない。
でも、有頂天の私にはこの時、確かにそんな高を括れるほどの“自信”があったんだ。
正しくは期待があった。
私のためにわざわざ学校をサボってまで来てくれた、私が好きそうだからとプラネタリウムに連れて来てくれた黒斗くんを、私はすっかり信じきっていたんだ。
黒斗くんも私を好きなんじゃないかって。
だから――…
「……マオ?」
…――ふと思い出したように目の前の女の子の名前を呼んだ黒斗くんの声が、やたらと鮮明に私の耳の鼓膜を震わせた時、ガラガラと何かが壊れてゆく音がした。