世界が終わる前に


……人生、初の合コン。


先がかなり思いやられるのは胸に秘めておこう。



みんながそれぞれに会話が弾む中、一人メロンソーダをちびちび飲むやっぱり場違いな私。


目の前に座っている彼もなんだかんだ楽しそうで。


何だかちょっと……寂しくて胸がチクンと痛んだ。



…――そういえば、今の今まで忘れちゃってたけど……私を条件に出した“漆原黒斗”って誰なんだろう?


そう思って、向かいに座る男子軍をチラ見しながら“漆原黒斗”を予想してみた。


目の前の彼は……ないと思う。多分。


この中じゃ一番カッコイイし、ちょっと彼ならいいかもなんて思っちゃったりもしたけど、


私の予想的には、真ん中に座りながらゲラゲラ豪快に笑ってる金髪のド派手男なんじゃないかって思う。


だって、何となく真ん中に座ってるって時点で“ボス”ってイメージだし、金髪で一番目立ってるし。


でも……条件に出されたはずなのに私ってば一人ぼっち。


むしろ名前すら誰からも聞かれてないんですけど……。


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