最愛の人


二人が家を出た後、胸騒ぎがした。


私の勘は、当たる。


だけど何だろう?


この気持ち。


不思議な気分になる。


それから、時間は、どんどん過ぎて行きなにもなかったかのように胸騒ぎは止まった。


今思えば“前触れ”だったんだね。


ふと気付くと電話がなっていた。


−−−−乃愛−−−−−


『もしもし?』


低い声。


乃愛の低い声は、なんだか怖かった。


電話越しでも分かるぐらいに。
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