ラストイニング・延長戦
時折、冷たい風が奈月の髪を揺らしても、二人は何一言も喋る事なく、川面を見つめ続けた。
そうして十分程が過ぎた頃、杉山は手元の石を軽く川に投げ入れた。
静かな川面に、波紋が広がっていった。
それを視線の先を変えずに見つめる奈月に、
「悪かったな…。」。
と、杉山が囁くように言った。
「別に…。」。
奈月は自分を見ている杉山を見つめた。その顔にはうっすらと笑みが浮かんでいた。
「私こそ…照れ隠しで酷い事を言っちゃったね。」。
奈月は、そう言って頭を下げた。
そうして十分程が過ぎた頃、杉山は手元の石を軽く川に投げ入れた。
静かな川面に、波紋が広がっていった。
それを視線の先を変えずに見つめる奈月に、
「悪かったな…。」。
と、杉山が囁くように言った。
「別に…。」。
奈月は自分を見ている杉山を見つめた。その顔にはうっすらと笑みが浮かんでいた。
「私こそ…照れ隠しで酷い事を言っちゃったね。」。
奈月は、そう言って頭を下げた。