青い傘

3月とは思えないくらいの、冷たい風が容赦なく私の顔にぶつかる。



(さ...寒いよぉ~)



こんなとき、あったらすごく嬉しいコートは、今頃私の部屋のクローゼットで眠っていることだろう.....



そして運の悪いことに、雨が降ってきた。


(うっそ!傘持ってないし!!やんでくれ~!)


そんな私の願いも空しく、雨は強さを増していく。








「ひゃぁー!3月とはいえ、寒いね!しかも雨とは!!」



突然、声をかけられた。男の人の声だった。

いや、今のは独り言.....?



「こんばんは!傘ないの?......家どっち?送るよ。」



私の右側に立った男の人は青い傘を私の真上にもさしてくれた。









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