ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「OKね!?じゃあちょっと来てッ!!」


女はオレの腕を掴んで離さずズンズン歩き、とあるビルの前で足を止めた。


恭平は興味津々でオレの後ろをくっついてくる。


エレベーターに乗り5階のフロアで降りて廊下の突き当たりまで早足で歩き、乱暴にドアを開けた。


───バンッ!!


「社長!見つけてきましたッ!!」


部屋の中には太ったオヤジと、ソファーに沈んだ表情で座っているオレと同じような年の女子2人。


「この子ですッ!どうですか!?」


女はオレの背中を強く押し、社長と呼んだ太ったオヤジの前に立たせた。


「どう、って…。柏木くん、この子は男じゃないのか…?」


「何言ってるんです!?今更男も女も関係ありませんっ!」


「関係ないって…女の子のユニットの3人目が男じゃあ…」


「社長!!デビューは明日ですよ!?今すぐこの子に決めるか、この莫大な時間とお金を費やしたプロジェクトをおじゃんにするか、どっちですか!?」


「うーん…」


社長が唸り出す。


ちょっと…待て、よ?


今、この社長の言った言葉…。


女の子のユニット…?


しかも柏木は言った。


デビューは明日、と…。
< 12 / 343 >

この作品をシェア

pagetop