ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜

「あの…話が見えないんですが…」


「いいから黙ってて!アナタにはね、ここに来た時から拒否権はナイの!」


なんたる強気と雑な扱い。


「社長、見てくださいよ、この子。肌はキメ細かく目は切れ長、長い睫毛、整った口元。化粧して衣装着れば、モデル顔負けのクールビューティー系の女子ですよ、女子ッ!!まだガッシリした男体型でもないし、背はちょっと高いけど、佑季とアリエルには踵の高いミュール、この子にはローヒール履かせれば問題ないですッ!とにかくこの子以上の素材は見つかりませんッ!!」


意味不明な押し問答に一抹の不安が頭をよぎる。


まさか…。


イヤイヤ。


いくら次元の違う芸能界の話とはいえ、そんなすっとんきょうな。


でもここはどうやらオレの立ち入る領域じゃない気がして、


「あの…。オレ、帰ります…」


「黙って!アナタに聞いてるんじゃないのッ!社長ッ!どうなんですかッ!?」


「うーん…」