ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「母さん、話してくれてサンキュ」


「ねぇ、蒼斗」


「ん?」


「果夜を…果夜を幸せにしてあげてね?」


「あぁ。オレにできる事なら、何だってするさ」


「じゃあ私、仕事に戻るから。気をつけて帰ってね」


「あぁ。この事、果夜に言うつもりはねぇから、さ」


「そうね」


タクシーに揺られながら、心の中で母さんの言葉を繰り返した。


「果夜を幸せに」


って。


どういう意味だろう。


母さんは。


もうずっと先から気づいていたのかもしれない。


叶わぬ弟の恋心を。
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