ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「あたしなんて…産まれてこにければ良かった…!」


「何言ってんだよッ!!」


「あたし…いらない子なの。本当のお母さんにも言われ続けてた…。邪魔だ、って。アンタなんて産まなければ良かった、って。今でも覚えてる、泣いても甘えてもご飯もくれないお母さんだった。お風呂なんて冷たい水で頭からシャワーをかけるだけ、たまに酔って機嫌のいい時にお小遣いくれて、自分でコンビニでお弁当買って食べてた。今のお母さんもそうなんでしょ?あたしがいらないんでしょ!?」


「違うわよ、果夜っ」


オレに代わって、今度は母さんが果夜を抱き締めた。


オレはまだ玄関で立っているオヤジに向かって言う。


「今すぐ帰れッ!!」


「わかったよ…。混乱させて、悪かった…」


帰って行くオヤジの後ろ姿が見えなくなるまで、オレは睨み続けた。


雨の中のオレと果夜と母さん。


体が。


心が。


冷たかった。
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