ちぇりぃ★〜姉と弟の恋模様〜
「母さんは果夜を愛してる?」


「ええ。愛してるわ」


「だったら!だったら何がなんでも手を離すなよッ!果夜がガキの頃に負ってた傷を知ってたんだろ!?ネグレクト、虐待、果夜は血も繋がらない母さんに甘えていいのか、ずっと不安だったんじゃなかったのか!?果夜はいつも家で笑ってた、常に母さんをオレを支えてた、いらない子なんかじゃない、居場所はここなんだ、って必死にしがみついてたんじゃないのか!?」


「そうね…。気づいてあげるべきだった、もっと愛を伝えてあげれば良かった。今になってこんな形で気づくなんて…ダメな母親、ね…」


「なぁ、親子だろ?手遅れなんて事、ねーんだよ。たった今から、ちゃんと果夜を見ろよ。伝えろよ。果夜は母さんの子だって、二度と手放す事なんて考えたりしないって。捨てた実の母親や父親とは違う、母さんと果夜の間には言葉じゃ言い尽くせないモン、いっぱいあるんだろ?今日も明日も、来年も10年後も、そういうモン積み重ねていけよ」


「蒼斗は…蒼斗はそれでいいの?」


「まだ言ってんのかよ。オレの事より果夜を思ってくれよ」


「ありがとう、蒼斗。私、果夜の所へ行ってくる」
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