白緑蝶"Ice green butterfly
私の肩に右手を置き

背を曲げ、覗き込む

貴方の瞳は、まるで
猫のよう・・・

私を見つめる瞳

「おせえよ」

低い声

私の両頬を、ぎゅっと
強く抓む指先

細く長い、指・・・

抓まれた頬に触れる
私の両手。

「痛い」

「出なかった、罰」

そう言って、貴方は
両端がキュッとつり上がる
完璧なまでに美しい
その唇を緩め、この私に
微笑んでみせる。
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