白緑蝶"Ice green butterfly
貴方は、左側の口角だけを
上げて悪戯に微笑んだ後
私の肩に腕を回し抱きながら
店内へ入る。

私は、その腕からさっと逃れ
ソラと距離を取った。

「あれ?何か、人
 少なくない」

「ああ、今夜は貸切で
 知り合いしかいない
 
 だから、気にすんな」

そう言って、ソラはまた
私の肩を抱いた。

「この店
 貸切っちゃったの?
 すごい、ソラって
 ほんと有名人なんだね
 
 貸しきるだなんて
 考えられない

 お金持ち・・・」

「あの部屋、一泊
 幾らだと思ってんだ?」
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