ウォルフとワタシ
これから向かう先なんて知らない。
どうでもいいんだ。
もうウォルフとなんか旅なんて続けられない。
あんな無神経で野蛮でエロくて女ったらしで‥‥‥
‥‥‥なんで好きになってんの私。
出会った時からサイテイなヤツだって知ってたのに。
全速力で走る。
この一週間一緒に泊まってた宿屋の部屋へたどり着く。
荷物をまとめる。
部屋を飛び出す為に
扉を開こうとして、
「――‥待てッ!」
その扉が向こう側から開いた。
荷物を持つ私の手首を握り、もう片方の手は私の肩を押す。