海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜


「その程度か…。トシキ…お前じゃ無理だ…。」

浩二は、福永と汐莉の脇を通り、教室を出て行った。

「何が無理なんだ!ああん!」

福永がその背を追いかけようとすると、

「いいの…いいから…。」

涙声で汐莉は福永の腰を両腕で囲んで歩みを止めた。

「マキ…何があったんだ?」

自分を離さない汐莉を見下ろしながら、福永は呟くように尋ねた。


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