海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜
「そういう事をきくとこやだな。ま、何より一番嫌なのはトモの事を苗字で…、しかも¨さん¨付けで呼ぶ事かな。いくら入部はトモの方が早いからって…。わかりますよね。」
顔を近付ける仁藤から、少し逃げた浩二は、
「うん…まあ…ね。」
と、曖昧な返事を返した。
「もう…。」
頬を膨らませた後、仁藤は窓の外を眺めた。
そして、何かを言いたそうな仕種をしつつも切り出せないでいた。