いつも強がりだったキミへ
いつも強がりだったキミへ
1人暮らしには、広すぎるマンション


テレビも付けず、カーテンも開けず


電気だって自分の真上のしかつけてない。



その部屋に1人、ぽつんとリビングの椅子に座り旅行誌をめくる私。



小村 さゆり


独身の22歳



「ねぇ隼(シュン)ちゃん....今度はどこ行こうか?」


旅行誌をめくる手を止め、目の前にある写真立てに手を伸ばす。



木製で彫刻で彫ってある少し凝った写真立ての中には、並んで腕を組みにっこりと笑っている二人がいる。




右が私


左が隼ちゃん



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