オパール・オッドアイ
「これなら判りますか?
久しぶりやな~せいちゃん!
えらい美人さんになりよって~。
別人かと思ぉたわ!
それに何やねんその目。
カラコンかいな!
はく君と見分けつかなぁなるから外しときぃや。」

男性陣は呆然としている。
当然と言えば当然なのだが今の発言で彼女の清楚なイメージが一気に崩れた。

「思い出した!
変な言葉遣いのるーちゃん!」

「相変わらず可愛い顔して言いよるな~。
まあでも思い出してもらえて良かったわ。」

小さい頃一度だけこの別荘で遊んだ事のある女の子。

言葉遣いが印象的で私の瞳を
『はく君と見分けがついてええやん。』
で片付けた大物だ。

「変わったね~。
何年ぶり?」

「10年は経っとるかな~?
元気してた?」

「うん!
るーちゃんも綺麗になっちゃってわからなかったよ~!」

「ほんまかいな~?
ただ忘れていたんとちゃうの~?」

キャピキャピはしゃぐ私達の後ろで固まる男性陣に気づいたるーちゃんが咳ばらいした。

「コホン!
大変失礼致しました。
中に入って御休憩ください。
長旅でお疲れでしょう?
すぐ冷たいお飲物を御用意いたしますので。」

「「「いえ、お構いなく…。」」」

カクカクしながら中に入って行く男性陣を見送りながらるーちゃんが呟いた。

「…早速やってもうたな。」

「ごめんね。
邪魔するつもりじゃなかったんだけど…。」

「気にせんと大丈夫や!
それよりせいちゃんも休みぃや、疲れとるやろ。」

「うん。ありがとうるーちゃん!
よろしくね。」

「お任せ下さいませ、お嬢様。」

結局この日、私は海には行かないでるーちゃん特製絶品ケーキとアイスティーを楽しみながら、るーちゃんと思い出話に華を咲かせた。

男性陣もそれぞれ思い思いに過ごし、雪お兄ちゃんは海に釣りをしにいって、うさぎは近くの町に買い物、琥珀はここの周りを散歩していたとの事。

みんな夕食の時間には戻ってきて、雪お兄ちゃんの釣ってきてくれた魚達は、るーちゃんに捌いてもらい刺身になって夕食を彩った。

「美味しかった~。お腹いっぱい。ご馳走様でした。」

「「「ご馳走様でした。」」」

< 35 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop