オパール・オッドアイ
「ねえ!
この後花火しない?
俺さっき花火セット買ってきたんだけど!」

「うさぎも買ったのか。俺達も昨日買い物したときに買ったんだよな。」

「うん。」

「俺も買った。」

みんな考えていたことは同じらしい。

「それじゃあ花火大会しようか!」


るーちゃんも誘ってみたものの
『使用人が働かんでどないすんねん!
私の事は気にせんと楽しんで来ぃや!』
とのこと。
少し残念に思いながらもうさぎ達と外に出た。

ロケット花火や打ち上げ花火。
ネズミ花火に追いかけ回されたり蛇花火で微妙な気持ちになりながらもとても楽しい。

手持ち花火を何本か持ってうさぎが近づいてきた。

「一緒にこれやらない?」

「良いよ~。」

「…瑠璃さんと仲良いな。
俺、一緒に花火するような関係になるまで相当の努力と時間を費やした気がするのですが。」

「それはうさぎが悪い。
それにるーちゃんは特別なの。」

「特別?」

「そう。」

うさぎに貰った花火に火をつける。

「私の憧れなの。
この花火みたいにオーラの色が次々変わっていく。
それなのに嫌な色が全然無くて素直なそのままの色達がとても綺麗だった。
今も変わってなかった。
明るい色ばかりじゃなくてもコロコロ代わる彼女の周りの花火は昔と全然変わらずに咲き誇っている。
私はああゆう人間になりたかったの。」

「素直さなら負けてないと思うけど?」

「私はあんなに綺麗な色していない。」

「ふーん。」

隣で座ってたうさぎがいきなり立ち上がって少し離れた所まで走って行く。
何事だろう?

「それでも!俺は、聖歌の色が大好きだよ~!」

空中に花火で大きく書かれたハートマーク。
その向こうににかっと笑ううさぎがいた。

「ぷっ、馬鹿。」

そういえば近くにも素直なオーラをもった人が居たんだった。

「私も貴方のオーラの色、大好きだよ。」

向こうで琥珀に跳び蹴りされているうさぎには絶対聴こえない小さな声で呟いた。
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