little
そして私が家庭部を覗くようになったのは、新しいクラスになり、1ヶ月がたって大分馴染めてきた頃だった。
新しいクラスと言っても半数は見慣れた顔触れなのだけど。
六時間目の終わりの鐘と同時に私は調理室へと走り出す。
「奏、ばいばーい」
「ばいばい、また明日ね!」
奏に挨拶を済ませ調理室までひとっ走り。
部活生が部活に向かうなかお菓子を求め走る生徒が一人。
調理室に行くには渡り廊下を利用するんだけど、屋内より暑い。
7月になると、走ると流石に汗がじわりと滲み出る。
今日は何作るんだっけ、バニラアイスだったかな。