俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
「只今…」

「あれ、尚哉」

『芙蓉』に出勤した筈の、尚哉が何故か帰宅してきて、私達と鉢合わせした。

「どうしたの?」

「ああ、これ…」

尚哉は懐から携帯を取り出して私達に見せた。

『本日、臨時休業致します。そう言えば母の命日だった…』

私と祐二さんは顔を見合わせた。親の命日を直前まで忘れてるなんて、酷い息子だと思ったが、祐二さん曰く…

「ナナコママのおかあさんはママが凄く小さい頃に無くなられて、顔も殆ど覚えていないそうだ」

と、言う事だった。小さい頃の記憶じゃあそりゃ仕方ないかなぁとは思ったけど、やっぱり忘れるのは良く無い事だと思う。

「明日、ママに言っておくよ」

尚哉はそう言って優しく微笑んだ。
< 114 / 259 >

この作品をシェア

pagetop