俺様彼氏と清純彼女~夢のおくりもの~
「悪いけど、俺から聴く気にはなれないから、桃子、本人から直接聴いてくれるか?」

尚哉は私から、視線を外して遠くを眺めている。

「――そう、そうよね…」

私はちょっと後悔した。

自分の行動に思慮が足りないと言う自覚が無かったのである。

尚哉にとって祐二さんは『鬼門』なのだ、良い事も有るし悪い事も有る。

一定の距離を保っているのも、お金絡みだからと言えるのだ。

でも、私には、あくまで優しい。

恋敵である私に対してだ。

祐二さんは大人だ。

だから、優しいのかもしれない。でも、もし、私が男の子だったらどうだろうか…

ひょっとしたら、酷く冷たい態度をとるのかもしれない。

でも、今は、祐二さんのその優しさに、甘えて居ても良い様な気がして、仕方が無かった。
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