禁断恋語
あぁ。
なんや。
そうや。
恋心を抱きながら、花月を弟扱いしとったんはあたしの方やないか。
花月は最初っからあたしを一人の女として、人間として見とってくれてたのに。
あたしたちは一緒に生まれた。
一緒に育った。
何もかもが一緒なんや。
心もすべて。
だから一緒に恋に堕ちた。
神様。
あたしはあんたを心底憎いけど、この喜びを与えてくれたことには感謝する。
恋が実を結ぶ。
その喜びを。
幸福を。
気持ちが通じ合うってこないにも素敵なことなんやと。
恋に臆病になっとる梓にもそう伝えよう。
「なぁ。花月」
「ん?なんや花梨」
「あたし、花月が好きや」
「うん。俺も花梨が大好きやで。俺の愛しい半身―――」
こうしてあたしたちは互いに溺れ合う。