おしえてください、先生。
ごめんなさいには、いろんな意味を込めた。
好きとか、そういうの辞めようって言ってたのに……。
約束、破っちゃったから。
「いいよ。あいつと歩いてる場面見たら、そりゃ勘違いもするだろうし」
雄悟先生が私の頭を撫でる。
「言ってくれてむしろ良かった。勘違いしたままじゃ、勉強も身が入んねえだろ」
「ん……ありがとう」
「さ、勉強するぞ」
「うん」
それから私たちはいつも通り勉強をして、残ったチョコレートを最後に食べた。
久しぶりに勉強の後に先生と過ごした時間は、短かったけどチョコレートを食べる時みたいに幸せな気持ちになった。
受験日が、数日後に迫っていた。