おしえてください、先生。

雄悟先生は小さく笑った。



「何驚いてんだ?キョーミないって、言ったろ?後ろ向いててやるから、さっさと脱げ」

「ゔ、うん……」



そんな言い方、しなくてもいいのに……。

こっちはこんなにドキドキしてるのに……ちょっと、傷つく。



雄悟先生がお風呂場の壁の方を向く。

先生がこっちを振り向かないことを確認して、服を脱ぎ始める。



今のところ運良く雷は鳴ってないけど……。

ここで鳴ったら、もうどうしていいかわからない……。



急いで服を脱ぎ捨て、いつもの倍のスピードで体を洗い、流す。



「まだか?」

「も、もう終わるからっ!今タオル取るっ」



脱衣所に続くドアを開ける。



「ここ、開けっぱなしにしてもいい……?」



少しでも、一人になりたくない……。



「あぁ」



雄悟先生がそう言ってくれて、ホッと胸をなで下ろす。

タオルを棚から取って、身体の水滴を拭き取っていく。

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