性別≠不一致
ノットイコール

今思えば、違和感は物心ついた時から感じていたのかも知れない。


四人目にしてやっと生まれた待望の女の子。


両親は(特に母が)それはそれは大層喜び、上三人の兄達が呆れるほど私のことを可愛がった。


末っ子長女ということで甘やかされた私は、女の子らしいピンクの服を着用し、可愛らしいお人形でおままごとをするのが大好きだったらしい。


だが、異変は幼稚園入園で起こった。


幼稚園の制服は男の子が半ズボン、女の子はスカートと決まっていたのだが、なぜか私はスカートの着用を酷く拒んだ。


なぜ嫌がったのかはもう昔のことなので忘れてしまったが、その時からすでに自分が女の子の格好をするのに違和感を覚え始めていたのだろう。


あれほど大好きだったお人形遊びはそれ以来パッタリやめて、兄に付いて行き外で木登りをするのがマイブームになっていたと母から聞いた。


女の子らしい服も着なくなり、もっぱら兄達のお古を着込む日々。


父は「新しい服を買わなくて家計に優しい娘だ」なんて言っていたが、母はそれが面白くなかったようだ。
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