性別≠不一致

困惑する千秋。妙に緊張する俺。


と、マミさんは千秋の両手を無理やり掴むと……。


「なにこの子!? 可愛すぐる!」


突拍子もなくはしゃぎだした。


「めっちゃ美少年じゃない! まさに天使! お姉さんと一緒にお茶しない?」


さりげなく俺の友人兼客をナンパすんなよ!


いきなり手を掴まれて、さらに目の前でテンションマックスな謎の女性に遭遇したら、普通は固まってしまうはず。


千秋も例外なく固まってしまい、とりあえず愛想笑いを浮かべている。


「あの、もしかして竜司くんが言ってたマミさんですか?」


「竜司くん? 竜司“くん”!? なにそれ萌える! 君付け萌え!」


この人の頭の中をCTスキャンで覗いてみたい。


君付けのどこが萌えるんだよ。マスターだって俺のこと君付けじゃねえか。
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