この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
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―――…





どのくらい床を拭いただろう。



だいぶサッパリしてきた。



『俺は天才だ…』


俺がそう確信したそんな時だった。




コツコツ…


ベランダの窓を叩く音がした。


『ん?』


見ると白い鳩がくちばしでガラスを叩いていた。


窓は換気のために美代が半分あけていた。


目が合うと白鳩はガラスを叩くのを止めた。




…俺を呼んでいるのか?



俺は雑巾を手放すとベランダへ向かった。



『なんか用か?』


俺の台詞に白鳩は大げさに驚いた。


『こりゃびっくりやポ!君どう見てもうさぎやのに床まで拭いて、しかも僕の言葉までわかるんかポ?』


『…あいにく鳩の知り合いは初めてじゃなくてな』


『ほほぉ~?それにしても普通あり得へんポ…』



白鳩はまじまじと俺を見た。


『僕は銀ってゆうポよ。君の名は?』


『俺はマサルだ。』


『マサル氏か…覚えとクルック~』




全くふざけた話し方をする奴だ。


白鳩は一礼するとバサバサと空へ飛んで行った。

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