この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「あヤバい!遅刻だったぁ!」


美代は俺を床に置くと、またバタバタと走り回りそのまま出て行った。







ようやく静寂が訪れた室内。




『っち…もっと余裕を持って行動しろよな』


俺がぶつぶつと文句を言っていると、机の上に赤い布に包まれた弁当箱が見えた。


どうやら美代の忘れものらしい。



『あいつ…弁当忘れてやがる』


しかもそれは昨晩、俺が美代と一緒に作ったおかずも入っているやつだった。


と言っても俺は隣で見てただけだか…。




『くそ…マジで仕方ないやつだな』



大学へは徒歩で行ける距離。


美代はたまに俺をこっそり大学へ連れて行ったこともあるから道もわかる。


俺はジャンプで何とか机上から弁当箱を取るとベランダへ出た。




仕方ないから俺が届けてやるか…。

俺は美代の世話役だからな。


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